PCB廃棄物
PCBを含む廃棄物のうち以下の表に該当するものは、廃棄物処理法で定める特別管理産業廃棄物になります。この法律の規定により、事業者は、これらの廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければなりません。
PCB廃棄物の適正処理を確保するため、平成13年6月に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB廃棄物特別措置法)」が制定されました。

廃棄物の種類
基準
廃PCB等
○ 廃PCB及びPCBを含む廃油
PCB汚染物
○ 汚泥(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが染み込んだもの
○ 紙くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが塗布され、又は染み込んだもの
○ 木くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが染み込んだもの
○ 繊維くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが染み込んだもの
○ 廃プラスチック(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが付着し、又は封入されたもの
○ 金属くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが付着し、又は封入されたもの
○ 陶磁器くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが付着したもの
○ がれき類のうち(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが付着したもの
PCB処理物
○ 廃PCB等又はPCB汚染物を処分するために処理したもの 
廃油 PCBの量が0.5mg(試料1kg中の値)を超えていること  
廃酸又は廃アルカリ PCBの量が0.03mg(試料1L中の値)を超えていること
廃プラスチック類又は金属くず PCBが付着している又は封入されていること
陶磁器くず PCBが付着していること
上記以外 PCBの量が0.003mgを超えていること

日常生活に伴って生じた廃エアコンディショナー、廃テレビジョン受信機、廃電子レンジに含まれるPCB使用部品については、特別管理一般廃棄物になります。

化学処理によるPCB処理分解
PCBを化学的に分解する方法には、以下のようなものがあります。
脱塩素化分解法
PCBの分子を構成している塩素とアルカリ剤等を反応させてPCBの塩素を水素等に置き換える方法。
水熱酸化分解法
超臨界水(温度と圧力を調整して反応性を高めた水で、液体でも気体でもない状態にした水です)や超臨界状態に近い水によってPCBを塩、水、二酸化炭素に分解してしまう方法。
還元熱化学分解法
還元雰囲気条件の熱化学反応によってPCBを塩、燃料ガスに分解してしまう方法。
光分解法
紫外線でPCBを構成している塩素を取り外してPCBを分解してしまう方法。
プラズマ分解法
アルゴンガス等のプラズマ(気体分子が高度に電離した状態)によってPCBを二酸化炭素、塩化水素等に分解してしまう方法。


洗浄・分離について
高圧トランス等のPCB入り電気機器の処理は、トランス等から吸い出せるPCB油を化学分解するだけでは終わりません。トランス等の容器や内部部材に付着したり染みこんだりしているPCBもあるからです。その処理方法としては、溶剤洗浄法や、真空加熱分離装置による分離法があります。
(なお、PCB油の処理方法の中には、容器や内部部材からのPCBの除去も行えるものがあります。)

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