水質汚濁に係る環境基準について

生活環境の保全に関する環境基準

生活環境の保全に関する環境基準は、各公共用水域につき、下表の水域類型の欄に掲げる水域類型のうち当該公共用水域が該当する水域類型ごとに、同表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

項目類型 利用目的の適応性 基準値 該当水域
水素イオン
濃度
(pH)
生物化学的
酸素要求量
(BOD)
浮遊物質量
(SS)
溶存酸素量
(DO)
大腸菌群数
AA 水道1級
自然環境保全
及び
A以下の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
1mg/l以下 25mg/l以下 7.5mg/l以上 50MPN/100ml以下
  • 水質汚濁に係る公害が著しくなつており、又は著しくなるおそれのある
    水域を優先すること。
  • 当該水域における水質汚濁の状況、水質汚濁源の立地状況等を勘案
    すること。
  • 当該水域の利用目的及び将来の利用目的に配慮すること。
  • 当該水域の水質が現状よりも少なくとも悪化することを許容することと
    ならないように配慮すること。
  • 目標達成のための施策との関連に留意し、達成期間を設定すること。
  • 対象水域が、2以上の都道府県の区域に属する公共用水域(以下
    「県際水域」という。)の一部の水域であるときは、水域類型の指定は、
    当該県際水域に関し、関係都道府県知事が行う水域類型の指定と
    原則として同一の日付けで行うこと。
水道2級
水産1級
水浴
及び
B以下の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
2mg/l以下 25mg/l以下 7.5mg/l以上 1,000MPN/100ml以下
水道3級
水産2級
及び
C以下の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
3mg/l以下 25mg/l以下 5mg/l以上 5,000MPN/100ml以下
水産3級
工業用水1級
及び
D以下の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
5mg/l以下 50mg/l以下 5mg/l以上
工業用水2級
農業用水
及び
Eの欄に掲げるもの
6.0以上
8.5以下
8mg/l以下 100mg/l以下 2mg/l以上
工業用水3級
環境保全
6.0以上
8.5以下
10mg/l以下 ごみ等の浮遊が
認められないこと
2mg/l以上
備考
  1. 基準値は、日間平均値とする(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
  2. 農業用利水点については、水素イオン濃度6.0以上7.5以下、溶存酸素量5mg/l以上とする(湖沼もこれに準ずる。)。
  3. 水質自動監視測定装置とは、当該項目について自動的に計測することができる装置であって、計測結果を自動的に記録する機能を有するもの又はその機能を有する機器と
    接続されているものをいう(湖沼海域もこれに準ずる。)。
(注)
  1. 自然環境保全: 自然探勝等の環境保全
  2. 水道1級: ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
  3. 水道2級: 沈殿ろ過等による通常の浄水操作を行うもの
  4. 水道3級: 前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの
  5. 水産1級: ヤマメ、イワナ等貧腐水性水域の水産生物用並びに水産2級及び水産3級の水産生物用
  6. 水産2級: サケ科魚類及びアユ等貧腐水性水域の水産生物用及び水産3級の水産生物用
  7. 水産3級: コイ、フナ等、β−中腐水性水域の水産生物用
  8. 工業用水1級: 沈殿等による通常の浄水操作を行うもの
  9. 工業用水2級: 薬品注入等による高度の浄水操作を行うもの
  10. 工業用水3級: 特殊の浄水操作を行うもの
  11. 環境保全: 国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度


項目
類型
水生生物の生息状況の適応性 基準値
全亜鉛
生物A イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 0.03mg/l 以下
生物特A 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 0.03mg/l 以下
生物B コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 0.03mg/l 以下
生物特B 生物A又は生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 0.03mg/l 以下
備考 基準値は、年間平均値とする。(湖沼、海域もこれに準ずる。)


水質汚濁に係る要監視項目(人の健康の保護に係るもの)

要監視項目及び指針値(平成21年11月30日付け環境省水・大気環境局長通知)
公共用水域 地下水
項目 指針値 項目 指針値
クロロホルム 0.06 mg/l以下 クロロホルム 0.06 mg/l以下
トランス−1,2−ジクロロエチレン 0.04 mg/l以下 1,2−ジクロロプロパン 0.06 mg/l以下
1,2−ジクロロプロパン 0.06 mg/l以下 p−ジクロロベンゼン 0.2 mg/l以下
p−ジクロロベンゼン 0.2 mg/l以下 イソキサチオン 0.008 mg/l以下
イソキサチオン 0.008 mg/l以下 ダイアジノン 0.005 mg/l以下
ダイアジノン 0.005 mg/l以下 フェニトロチオン(MEP) 0.003 mg/l以下
フェニトロチオン(MEP) 0.003 mg/l以下 イソプロチオラン 0.04 mg/l以下
イソプロチオラン 0.04 mg/l以下 オキシン銅(有機銅) 0.04 mg/l以下
オキシン銅(有機銅) 0.04 mg/l以下 クロロタロニル(TPN) 0.05 mg/l以下
クロロタロニル(TPN) 0.05 mg/l以下 プロピザミド 0.008 mg/l以下
プロピザミド 0.008 mg/l以下 EPN 0.006 mg/l以下
EPN 0.006 mg/l以下 ジクロルボス(DDVP) 0.008 mg/l以下
ジクロルボス(DDVP) 0.008 mg/l以下 フェノブカルブ(BPMC) 0.03 mg/l以下
フェノブカルブ(BPMC) 0.03 mg/l以下 イプロベンホス(IBP) 0.008 mg/l以下
イプロベンホス(IBP) 0.008 mg/l以下 クロルニトロフェン(CNP)
クロルニトロフェン(CNP) トルエン 0.6 mg/l以下
トルエン 0.6 mg/l以下 キシレン 0.4 mg/l以下
キシレン 0.4 mg/l以下 フタル酸ジエチルヘキシル 0.06 mg/l以下
フタル酸ジエチルヘキシル 0.06 mg/l以下 ニッケル
ニッケル モリブデン 0.07 mg/l以下
モリブデン 0.07 mg/l以下 アンチモン 0.02 mg/l以下
アンチモン 0.02 mg/l以下 エピクロロヒドリン 0.0004 mg/l以下
塩化ビニルモノマー 0.002 mg/l以下 全マンガン 0.2 mg/l以下
エピクロロヒドリン 0.0004 mg/l以下 ウラン 0.002 mg/l以下
全マンガン 0.2 mg/l以下
ウラン 0.002 mg/l以下



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